暗黒星雲

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2006年 02月 19日

うどん〜女子高

君はもう嫌だと言って帰ってしまった 俺は一人でうどんを食べる (新井蜜)
嘘つきと言われた とても腹が立つ まるで嘘つきじゃないみたいに (新井蜜)
狂うなよ! 見送りに来て振り返る君 むらさきのつつじ咲く朝 (新井蜜)
ベルリンのベランダに立つドラえもん ベートーベンには別に似てない (新井蜜) 
捕まえて毛皮はぎ取れ ポケットが肝心だから破ってはだめ (新井蜜) 
寝転んでタケコプターを待っている 北海の風強いこの日も (新井蜜) 
夢のなか君のくちびるやわらかい のび太みたいにぎこちない俺 (新井蜜) 
ヴァン・ゴッホが自分の耳を切ったのはドラえもんになりたかったから (新井蜜) 
空港でチェックにかかりポケットの中身を全部並べて見せた (新井蜜) 
空港でチェックにかかりポケットの中身を全部出すドラえもん (新井蜜)
雨の日に限らないけどつらい日はあたたかいお茶ゆっくりと飲む (新井蜜)
自転車で傘さしながら通学し芯まで濡れるが昼には乾く (新井蜜)
屋上にのぼったことは一度だけ きみがまだいた雨の日のこと (新井蜜)
筋肉と愛は使えば使うほど強くなるもの 切れることもある (新井蜜)
「憎しみ」を「抜くシミ」と打つ 愛にならぬかシミ抜けば肉 (新井蜜) 
奈良にあるうどん亭といううどん屋で食べたきつねを愛しています (新井蜜) 
同僚は誰一人として声かけぬ愛のトラブルあった社員に (新井蜜) 
警察もCIAも止められぬ頭に浮かぶ愛の妄想 (新井蜜) 
遠くから見守ることが愛なのだと思っていつでも外野席 (新井蜜) 
塩の濃い死海では浮く俺だけどおまえの愛に溺れてしまう (新井蜜)
掻き捨てたはずであるのに不意打ちでよみがえってくるこの感覚は (新井蜜)
多摩川の河原で拾った黒い石落ち着かないとき握りしめてる (新井蜜)
ジーンズのベルトの上にはみ出した肌にくっきり愛の一文字 (新井蜜)
スニーカーのかかとを踏むなという君と列車の窓から海を見ている (新井蜜)
目覚ましの時計の音が鳴る前に目覚めてしまう旅先の朝 (新井蜜)
傘を上げ視線を交わし擦れ違う顔確かめる雨の坂道 (新井蜜)
秒針の刻むリズムを聞きながらあすの再会まだ迷ってる (新井蜜)
この海の水平線の向こうにはイギリス人の住む国がある (新井蜜)
真昼間の傾いた陽の光浴びただひたすらに歩く人たち (新井蜜)
人生をやり直せるならもう一度俺を選んでくれるか君は (新井蜜)
夜遅く降りたくはない地下鉄の御堂筋線動物園前 (新井蜜)
動かない洗濯機には沢山の今日の思い出詰め込んだまま (新井蜜)
しましまの横断歩道の白いとこばかりを踏んで歩いてるんだ (新井蜜)
青白い月がゆっくりついて来る ひとりごという母と歩いた (新井蜜)
教会とシティーホールが向かい合うマルクト広場で待ってます 来て (新井蜜)
妖星の赤いしっぽが空を掃く 走れ犬千代雪をけちらし (新井蜜)
犬千代に夜伽を命ず信長の頭上に青きシリウス冴えて (新井蜜)
狼になんてなれない分かってる吠えるのくらい好きにやらせて (新井蜜) 
犬の子ができたみたいに簡単に言うなよ俺の子供なんだろ (新井蜜) 
ポチの見た夢は悪夢か青ざめた顔して水を飲んでいる朝 (新井蜜)
光という名の少年に出会う冬午前三時の外苑前で (新井蜜)
飛行機は狭い座席に長時間人を押し込み海の上飛ぶ (新井蜜) 
食料は乗客が食べ無くなるがその分重さは減らぬ飛行機 (新井蜜)
七輪で起こす炭火の勢いは強くて秋刀魚の油が燃える (新井蜜)
練炭は一酸化炭素吐き出して中毒起こす気をつけないと (新井蜜)
空っぽのように見えるが実際は空気の入ったこの冷蔵庫 (新井蜜)
ポケットにナイフ忍ばせ暇あれば握りしめてる使わないけど (新井蜜)
受付にポチによく似た人がいて毎朝いつも本を読んでる (新井蜜) 
シマウマは死ぬまで縞が治らない 終生変わらぬポチの忠誠 (新井蜜)
(堀口大学の詩を参考にしました。)
昨日までおやじギャグでもウケていた娘が俺を遠い眼で見る (新井蜜) 
「新井家」は当分消えず残るだろう親父の墓の石の上には (新井蜜) 
お互いを愛人と呼ぶゲームして繋ぎ止めてる一家の離散 (新井蜜) 
「波平さん!」「舟!」いつまでも見つめ合う銀座通りのガス燈の下 (新井蜜) 
妻と母犬猿の仲と思ったが俺の批判は手を組んでする (新井蜜) 
愛あればほかになんにもいらないと言ってたきみはアルバムの中 (新井蜜) 
引力がなければどこかへ飛んで行く俺を地面にとどめる家族 (新井蜜)
B組の3730522 一等賞は樺太旅行 (新井蜜)
明け方のバイクが配る新聞はわたしの恋を報道しない (新井蜜)
知ってるわ六本木にあるイタめし屋ゆで過ぎパスタの鬼気迫る味 (新井蜜)
品川の路上で目覚め幾たびも夢に出てきたキリンを探す (新井蜜)
女房が嫁に来る時持って来た愛が沢山裏の倉庫に
家内とは女房のこと きみのこと家外と呼べばいいのかしらん
母ちゃんが帰って来ない 父ちゃんは探しに行くなとこわい顔する
放課後に急いで帰って戸を閉めて姉のブルマー穿いていた日々
夕飯のうなぎとトロロとにんにくを気づかぬ振りして黙って食べる
父さんと呼ばなくていい 駅裏の写真屋さんがホントの父さん
父さんと呼ばなくていい 真実は母さんだけが知っているはず
父さんと呼ばなくていい 人生の先輩として殴るんだから
父さんと呼ばないでくれ 母さんの恋人として生きていきたい
父さんと呼ばないでくれ このところ自由が欲しくなってきたんだ
てのひらにきみの名前を書いてみた 手袋はずしいつも読んでる
勝ち負けは二の次だなんていう言葉信じて負けるナイーブなきみ
女子高の拡声器から流れ来るマーチに興奮している俺は
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by araimitsu | 2006-02-19 06:54


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