暗黒星雲

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2008年 11月 21日

俺の・好きな・塔の歌 2008年11月

いたいたしく裂けし無花果六つほどひとりで食べて口の中のつぶつぶ (亀谷たま江)
不忍池はみ出さんばかりの蓮の花わが東京の絵地図に書き足す (木村輝子)
予報には出るはずもなき月いでて三人の友の死を知らさるる (安原誠子)
ぬばたまの髪に隠れている耳が記憶している過去を思えり (永田愛)
尋ね来し多羅葉の木のまだ若く盗らず帰り来そのみどり葉を (青井せつ子)
音の立つ柵をひらきて少年の自転車は消えぬ夏のすき間に (朝井さとる)
道端でキャベツを抱いて泣きたいと孝子は言えり夜の電話に (藤田千鶴)
白桃の頬さにづらふ早乙女と思ひゐたるにまあ!あのあり様は (島居妙子)
足うらに西瓜の種をつけしまま父は眠れり真昼を深く (澄田広枝)
吊り蚊帳に従姉妹ら眠りつきしのち ひたひたと過ぐ夜汽車の音は (澄田広枝)
横町に居し犬の顔浮かび来る南こうせつの「神田川」聞くとき (助野貴美子)
聞き返し問ひ返されてちぐはぐに成り立つらしも父母の会話は (仙田篤子)
古稀なるも女は女 おそるおそる乳癌検診受けに来たりぬ (船曳弘子)
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by araimitsu | 2008-11-21 11:46 |


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