暗黒星雲

araimitsu.exblog.jp
ブログトップ

<   2008年 11月 ( 4 )   > この月の画像一覧


2008年 11月 21日

俺の・好きな・塔の歌 2008年11月

いたいたしく裂けし無花果六つほどひとりで食べて口の中のつぶつぶ (亀谷たま江)
不忍池はみ出さんばかりの蓮の花わが東京の絵地図に書き足す (木村輝子)
予報には出るはずもなき月いでて三人の友の死を知らさるる (安原誠子)
ぬばたまの髪に隠れている耳が記憶している過去を思えり (永田愛)
尋ね来し多羅葉の木のまだ若く盗らず帰り来そのみどり葉を (青井せつ子)
音の立つ柵をひらきて少年の自転車は消えぬ夏のすき間に (朝井さとる)
道端でキャベツを抱いて泣きたいと孝子は言えり夜の電話に (藤田千鶴)
白桃の頬さにづらふ早乙女と思ひゐたるにまあ!あのあり様は (島居妙子)
足うらに西瓜の種をつけしまま父は眠れり真昼を深く (澄田広枝)
吊り蚊帳に従姉妹ら眠りつきしのち ひたひたと過ぐ夜汽車の音は (澄田広枝)
横町に居し犬の顔浮かび来る南こうせつの「神田川」聞くとき (助野貴美子)
聞き返し問ひ返されてちぐはぐに成り立つらしも父母の会話は (仙田篤子)
古稀なるも女は女 おそるおそる乳癌検診受けに来たりぬ (船曳弘子)
[PR]

by araimitsu | 2008-11-21 11:46 |
2008年 11月 15日

塔2008年8月投稿→2008年11月掲載 真中朋久選

057.gifいやいやと首ふるように焼きそばの花鰹ゆれひとりで食べる
058.gifおおふけえおおふけえなど言いながら泥田を廻る抜けられなくて
058.gif一斉に走る車の風圧で路面を滑り行くポリ袋
058.gif梅雨寒の父の日に子ら集い来てピアノに遊ぶ「槌音高く」
057.gif眠れない 春の夜空を漂って画面にたどり着いた四文字
058.gif目覚めれば妻と子の声ひっそりと庭に聞こえる梅雨寒の昼
058.gifテーブルに鱗がひとつ落ちていて午後の会議に身が入らない
058.gif教室のかびんに挿したひまわりが枯れてしまっていた登校日
057.gif船底の狭いフロアに雑魚寝して足の臭いを嗅ぎつつ眠る
057.gif目出し帽かぶったきみをケンタッキーフライドチキンの前で待ってる
[PR]

by araimitsu | 2008-11-15 21:28 |
2008年 11月 08日

塔大阪歌会2008年11月詠草

刈り取りの前の稲穂と黄の色を競う背高泡立草は
整列し小雨に濡れて墓石が通りすぎたりのぞみの窓を
[PR]

by araimitsu | 2008-11-08 21:01 |
2008年 11月 04日

さっきから

さっきから誰かがあとをつけてくるあなたのあとをつける私の
そのくらさまばらなはやし立ちしゃがみはるか深くに伸びあがるもの
うしろからおしてもらってベランダのさくからとんだかぜ切りおちる
回送の新幹線が止まってる白い車体を横で見ている
歩けない足が痛くてタンスからふくさをだして荷物にいれる
埠頭から落ちてうかんだこのみずはとても冷たい暗くなってく
赤ちゃんの写真が私を見つめてる助けてほしいほしいといってる
さあ早くよけてよあなたこのままじゃぶつかるでしょうやだな朝から
てのひらをひろげたとこにひとつぶのしずくがおちる甘いおもいで
結び目がほどけなくなりこれ以上一緒はいやと切ってしまった
かあさんの手はあたたかいのどのとこねむったふりして薄目をあける
飲み干したことの余韻はひっかかり時間を止めるお昼わたしは
ひらがなのなまえをかいたてのひらをみずにひたしてひにあててみる
真っ暗になってきたけど帰れない先島諸島というところから
何も着ずねるのはさむいどうろにはごみがおちててせなかがいたい
間違って乗ってしまったこの列車あなたの町に着くはずがない
冷房がきつすぎるからそとにでる雨がふってる傘がないのに
[PR]

by araimitsu | 2008-11-04 16:36 |