暗黒星雲

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2009年 07月 30日

塔2009年7月e歌会詠草

ありあけの月は冷たく妹はうつすら口をあけて寝てゐる
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by araimitsu | 2009-07-30 13:22 |
2009年 07月 15日

俺の・好きな・塔の歌 2009年7月号

風荒き寒の戻りのみづうみに北帰のばさむ鴨のゐるべし (武田久雄)
色つぽい夢を昨夜も見たといふ老母は突然含み笑ひす (吉田健一)
前を向き後ろを見ずに後ろへと手を差し出した新月の夜 (紺屋四郎)
背赤後家蜘蛛も潜みし広き庭花あふれいんアーモンドの木は (酒井万奈)
吊り革のまんまるがもっともっともっと大きくあらばかおまで入る (深尾和彦)
でこぼこに乾ける土手の青き踏む「塔」二年生になりにけるかも (石川游)
春深しかべのかがみがかたむいていてもわたしはかたむかなくて (上澄眠)
海原を足湯につかり眺めみる風の荒れ吹く潮見坂より (安井啓一)
ドアを蹴った人は部内に見つかってそののち静かに異動となりし (徳重龍弥)
一匹の狸が私をうかがいに来る日の続き来ない日は待つ (森真澄)
竹やぶも夜は力を抜きいしか裏屋根半ば隠すほど垂る (森真澄)
遠くより聴こえる声とふり向けば樹々の葉ずれを風の運べる (海野翔)
また来るねこれが最後になるなよと撫でつつおれば時刻(とき)近づきぬ (及川謙)
草刈機に慌ててうごく赤蛙ジャンプは弱く啓蟄二日 (梶野敬二)
その次のことば知りつつ待たれをり言はぬ理由を我さへ知らず (佐藤陽介)
恍惚と言わるる齢になりながら刺ある言葉にひと日こだわる (篠原史)
五月雨の切れ目に今日も雨蛙わが駄菓子屋を冷やかしに来る (外輪清孝)
遺影見て立ちつくしいる部屋のなか手を引く吾と母とが過ぎる (橋本英憲)
大切なものはすべて消えそうで夕陽は怖い父逝きし日より (宮坂昌余)
水虫をつれて来たのは花嫁だと言つてゐるのが花婿らしい (佐竹永衣)
何んとなく捉まるところが欲しくなり細きわっかに指とおしおり (二貝芳)
久々に訪ねる母をおそれいつ母は母たりわれの母なり (原田直)
魔笛序曲聴きゐるときに隣席に座る君との結婚決めし (山下太吉)
お月さんみたいなお陽さん出てた日はひねもす芥子の香りがしてた (高橋武司)
飛びながら死にゆく鳥のさびしさに夜半に髪梳く眼を閉じて (数又みはる)
ゆふぐれのドアーをひらけば日に映えてわが生れし日の春の死者たち (数又みはる)
ああふいに会話は途絶え炭酸の泡の細かにのぼるサイダー (常盤義昌)
流体はわが意志よりも重たくて升のふちより酒のこぼるる (畠中隼人)
月光のかけらのように落ちてくる花びらの向こう行ってはならぬ (西川啓子)
意図さぐるゲームのカード差し戻すわたしがわたしであることのため (西野明日香)
お母さんがいるところにはぼくがいるそのりゆうはだいすきだから (吉澤和人)
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by araimitsu | 2009-07-15 11:51 |
2009年 07月 13日

塔2009年4月投稿→7月掲載 <真中朋久選>

忘れたと言い張る姉が夢にみる首を掻かれた父親の顔
青黒いあの山並を越えゆけば海に夕日が浮かんでいるはず
春の宵熱おびひかるきみの名に丸く小さな済の印捺す
呼び出され駆け出していく雨の中きみだったんだ僕ではなくて
感情の干満或いは満ち欠けに言い訳をせず受け入れるのみ
ぶり返す寒さの朝の光受け歩道に倒れている自転車
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by araimitsu | 2009-07-13 11:53 |
2009年 07月 13日

塔大阪歌会2009年7月詠草

荒みたる庭に昼過ぎ分け入れば小ぶりの蛇が葉下に隠る
銀行の応接室に人待てば窓そとに見ゆる大き槻の木
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by araimitsu | 2009-07-13 09:40 |