暗黒星雲

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2009年 10月 31日

塔e歌会2009年10月詠草

ひかりごけかもしれないね僕たちのほのめくとほい未来ではなく
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by araimitsu | 2009-10-31 15:41 |
2009年 10月 26日

俺の・好きな・塔の歌 2009年10月号

馬の死に間に合はざりし夢に覚め右に寝直るまだ夜が深い (河野裕子)
枝豆を茹でた匂ひがくらやみに悪意のごとく残りてゐたり (花山多佳子)
けつと思ひへとも思はず過ぎにけりいくばくか傷を負ふも堪へつつ (真中朋久)
熱き紅茶を貴方に淹れている夢だった 新しき紅茶々碗を出して (諏訪雅子)
空の月がふたつになっても畏れない宇宙へ拡がるわたしの老眼 (澤辺元一)
キアゲハのいつまでもまとわりいるあたり山椒の木のありたるところ (藤井マサミ)
夕空に水の音聞く父も母も水の音もて過ぎてゆきたり (青井せつ子)
車椅子ぐらし嘆かず静かなる人に買いくる初夏の白桃 (酒井万奈)
つる嘴を振り下ろすごとつばめの巣くずし烏は雛を呑み込む (上条節子)
はつなつの空の高さを測らむとオフィスの窓にノギスをかざす (永田愛)
立葵ぱぱーんと咲きて梅雨明けて上司二度目の出奔をせり (数又みはる)
薄物を出して仕舞いて恋終わる畳紙を秋の風過ぎてゆく (水橋あかり)
真夜の満月火星間近に光らせて劫初も宙は寂しかりしか (水橋あかり)
おまへなんてあなたにいはれることはない泣かない顔がこちらを向きぬ (久保茂樹)
送別会に来てきっちりと一人分の会費を払って部長は帰る (かがみゆみ)
笛の音にあわせるごとく野芥子ゆれひとりの少女歩いて来たり (荻原伸)
梳かれつつひと月前の運勢を午後のサロンに照らし合わせる (吉丘みれい)
「買っちゃった」六十男に指環見せ笑みし女の底知れなさよ (村﨑京)
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by araimitsu | 2009-10-26 13:17 |
2009年 10月 14日

塔2009年7月投稿→2009年10月掲載<真中朋久選>

音符ではなくつてあれは鹿たちが寝そべつてるの若草山に
彼方から夕暮れの野を越えてきて見下ろしてゐる目のやうなもの
ひそやかに囁く声に目覚めれば五月の庭に朝の雨降る
魂を抜くとて白衣の神主が汗をふきつつ祝詞となへる
線路際の墓場に並ぶ石塔のひとつが西に傾いてゐる
繰り返し波の戻つてゆくところ足下の砂を引きさらひつつ
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by araimitsu | 2009-10-14 17:21 |
2009年 10月 05日

塔山城歌会2009年10月詠草

妻の背にしがみつきつつ銀河とぶ夢見るオンブバッタとならむ
駆け抜けた森の空気を身にまとひ保育器をでて手足を伸ばす
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by araimitsu | 2009-10-05 10:23 |
2009年 10月 05日

塔e歌会2009年9月詠草

蒙古斑おぼろならむか臨月の胎児は森を駆け抜ける馬
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by araimitsu | 2009-10-05 10:22 |
2009年 10月 01日

俺の・好きな・塔の歌 2009年9月号

雨と聞きなどか安けき日のあるを妻にいふなく発ちて来にけり (溝川清久)
大阪湾の潮の匂いに反り返りジンベイザメは白き腹見す (池田富美子)
聞き逃すまじき隠喩か明け方の抑揚しるき鳩の鳴き声 (尾形貢)
今日三度めのきつねの嫁入り雨粒はひかりのなかに奥行きを生み (なみの亜子)
十五号の喪服を今の身の丈に合わせて十一号にかえたる六月 (近藤桂子)
九階のベランダより見し閃光は遠雷なれど心が騒ぐ (髙畑かづ子)
をさなごの指汚れたり知らずともよき事知りし我が指握り (関口健一郎)
ぽつぽつと黄色き花の明るみに夕暮れの道月見草あり (伊藤恵美子)
さるすべりの下に木彫りの鴨居ると眺めて居れば動き出したり (舩曳弘子)
行くからと玄関の靴さらひ段ボールに入れて子どもは消えてしまへり (大河原陽子)
実体のなきさびしさは消えるのも早くてパンにバナナのせて食う (白水麻衣)
原付で夜学に通う帰り道夏の暑さを切り裂き走る (生谷俊介)
次次と心配の種採りこぼしわが畑には雑草の絶えず (小林則子)
ほのぐらき水に沈んでいくようなサティのピアノ聞きて眠りぬ (佐原亜子)
卯の花の咲く道でした蛍ひとつ祈りのように消えてったのは (三谷弘子)
梅雨寒の朝の淋しさ会ひたいな黄色い服の似合ふ妹 (村井玲子)
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by araimitsu | 2009-10-01 16:54 |