暗黒星雲

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2010年 01月 31日

塔e歌会2010年1月詠草

幼子の肌着がゆれる初春の日差しのなかで弾くブラームス
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by araimitsu | 2010-01-31 20:59 |
2010年 01月 19日

塔2009年10月投稿→2010年1月掲載<吉川宏志選>

山積みの下着を漁るきみに逢ふ船場センタービルを歩けば
闇のなか走る列車は満員で立つてビールを飲む男たち
バス停に向かふ歩道の真ん中に蛇が腹見せ動かずに居る
曼珠沙華横目に見つつ撤収の議論続けるタクシーの中
蒙古斑おぼろならむか臨月の胎児は森を駆け抜ける馬
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by araimitsu | 2010-01-19 11:27 |
2010年 01月 06日

鶏頭 (2009年12月号掲載特別作品、三井修選)

窓越しのあなたはいつもうつむいて書類みてをりときに微笑む
お茶場からふつと出できて会釈してちひさき背中見せて立ち去る
我が影の頭(かうべ)がきみのスカートの下の真白き脚を過りぬ
お嬢さんお入んなさいこの傘にと言つて遊ぶ雨の降る日に
海亀の拾つた恋は七月の梢に光る風のささやき
軒下の身じろぎをせぬかなへびは朝日のなかで生まれたばかり
美術商森川はドア閉ざしをり雨に鎮もる福井あるけば
焼きたてのナンをちぎつて食べるきみの下唇のナンの小片
ハイヒール履かないで来て手水場の扉はずつと開けて置くから
窓そとを見下ろすきみは銀色にドーム光らす月が嫌ひと
大の字がはるかに燃える公園の砂場の砂に埋めたレモン
赤ちやんはもう抱きましたかと聞かれかはいいと言ひ並んで歩く
ひとすぢの揺れるけむりの行く先を目で追ひながら何も見てゐぬ
一瞬のためらひののち振り向いて離れてゆきぬ金曜の夕
鶏頭の縮れた赤い花を挿すもつれた糸はほぐされぬまま
二階から駆け降りくればごめんねと間違ひ電話のすすり泣く声
真夏日の車の中に干からびた別れたはずのきみのまぼろし
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by araimitsu | 2010-01-06 15:43 |