暗黒星雲

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2009年 12月 14日

2009年12月大阪歌会詠草

三十キロの米を届けた配達夫赤んぼがかはいいとほめ帰る
ワクチンがないと言われて帰る朝乾き始める打ち水の跡
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# by araimitsu | 2009-12-14 22:00 |
2009年 11月 28日

塔e歌会2009年11月詠草

乗り込んだバスは見知らぬ町をゆき月の出を振り返る僕たち
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# by araimitsu | 2009-11-28 19:27 |
2009年 11月 23日

俺の・好きな・塔の歌 2009年11月号

早く寝ろとまた言つてゐる寝てゐれば元のあなたにもどれるように (永田和宏)
片角の牡鹿のあとを歩みけり阿修羅のゐない飛火野の夏 (小林幸子)
近所の犬に頭下げられしは錯覚か五、六歩過ぎて振り返り見る (澤辺元一)
ともに山を下り来りしアキアカネ地上にわれをおきて去りたり (藤井マサミ)
笑いかわせみのように笑う人居りて夏果つる夜の月はオレンジ (岩切久美子)
彼岸花のつぼみ二本を仏壇にお母さんこれ絵蝋燭です (大橋智恵子)
霧の夜の赤信号鋭し ああ孝行をしたくない時に親がゐる (岡部史)
帰りきて靴をぬぎゐるその時に電話がなりぬ暗き居間より (落合けい子)
黄蝶きて日傘のなかにしばらくを共にゆくなりひらひらとつばさ (亀谷たま江)
向き合ひて互みの視線絡まざる狛犬のあひだ通り抜けたり (木村輝子)
三百名の出席者には三百の留守のかたちのあるを思えり (小石薫)
誰彼の退屈に付き合うと言う携帯3つ持ちて少女は (山下洋)
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# by araimitsu | 2009-11-23 21:04 |
2009年 11月 13日

塔2009年8月投稿→11月掲載 <池本一郎選>

うす青の朝顔ひらく腹痛を訴へられたあの朝のこと
梅雨なのか梅雨でないのか降つてゐるをさない者の目覚めぬ窓辺
寝不足の頭に響く裏山の鳩の鳴く声。白桃を剥く
この歳になつてわかつてきたやうなきみの言葉の癖らしきもの
銀行の応接室に人待てば窓そとに見ゆる大き槻の木
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# by araimitsu | 2009-11-13 10:18 |
2009年 10月 31日

塔e歌会2009年10月詠草

ひかりごけかもしれないね僕たちのほのめくとほい未来ではなく
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# by araimitsu | 2009-10-31 15:41 |
2009年 10月 26日

俺の・好きな・塔の歌 2009年10月号

馬の死に間に合はざりし夢に覚め右に寝直るまだ夜が深い (河野裕子)
枝豆を茹でた匂ひがくらやみに悪意のごとく残りてゐたり (花山多佳子)
けつと思ひへとも思はず過ぎにけりいくばくか傷を負ふも堪へつつ (真中朋久)
熱き紅茶を貴方に淹れている夢だった 新しき紅茶々碗を出して (諏訪雅子)
空の月がふたつになっても畏れない宇宙へ拡がるわたしの老眼 (澤辺元一)
キアゲハのいつまでもまとわりいるあたり山椒の木のありたるところ (藤井マサミ)
夕空に水の音聞く父も母も水の音もて過ぎてゆきたり (青井せつ子)
車椅子ぐらし嘆かず静かなる人に買いくる初夏の白桃 (酒井万奈)
つる嘴を振り下ろすごとつばめの巣くずし烏は雛を呑み込む (上条節子)
はつなつの空の高さを測らむとオフィスの窓にノギスをかざす (永田愛)
立葵ぱぱーんと咲きて梅雨明けて上司二度目の出奔をせり (数又みはる)
薄物を出して仕舞いて恋終わる畳紙を秋の風過ぎてゆく (水橋あかり)
真夜の満月火星間近に光らせて劫初も宙は寂しかりしか (水橋あかり)
おまへなんてあなたにいはれることはない泣かない顔がこちらを向きぬ (久保茂樹)
送別会に来てきっちりと一人分の会費を払って部長は帰る (かがみゆみ)
笛の音にあわせるごとく野芥子ゆれひとりの少女歩いて来たり (荻原伸)
梳かれつつひと月前の運勢を午後のサロンに照らし合わせる (吉丘みれい)
「買っちゃった」六十男に指環見せ笑みし女の底知れなさよ (村﨑京)
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# by araimitsu | 2009-10-26 13:17 |
2009年 10月 14日

塔2009年7月投稿→2009年10月掲載<真中朋久選>

音符ではなくつてあれは鹿たちが寝そべつてるの若草山に
彼方から夕暮れの野を越えてきて見下ろしてゐる目のやうなもの
ひそやかに囁く声に目覚めれば五月の庭に朝の雨降る
魂を抜くとて白衣の神主が汗をふきつつ祝詞となへる
線路際の墓場に並ぶ石塔のひとつが西に傾いてゐる
繰り返し波の戻つてゆくところ足下の砂を引きさらひつつ
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# by araimitsu | 2009-10-14 17:21 |
2009年 10月 05日

塔山城歌会2009年10月詠草

妻の背にしがみつきつつ銀河とぶ夢見るオンブバッタとならむ
駆け抜けた森の空気を身にまとひ保育器をでて手足を伸ばす
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# by araimitsu | 2009-10-05 10:23 |
2009年 10月 05日

塔e歌会2009年9月詠草

蒙古斑おぼろならむか臨月の胎児は森を駆け抜ける馬
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# by araimitsu | 2009-10-05 10:22 |
2009年 10月 01日

俺の・好きな・塔の歌 2009年9月号

雨と聞きなどか安けき日のあるを妻にいふなく発ちて来にけり (溝川清久)
大阪湾の潮の匂いに反り返りジンベイザメは白き腹見す (池田富美子)
聞き逃すまじき隠喩か明け方の抑揚しるき鳩の鳴き声 (尾形貢)
今日三度めのきつねの嫁入り雨粒はひかりのなかに奥行きを生み (なみの亜子)
十五号の喪服を今の身の丈に合わせて十一号にかえたる六月 (近藤桂子)
九階のベランダより見し閃光は遠雷なれど心が騒ぐ (髙畑かづ子)
をさなごの指汚れたり知らずともよき事知りし我が指握り (関口健一郎)
ぽつぽつと黄色き花の明るみに夕暮れの道月見草あり (伊藤恵美子)
さるすべりの下に木彫りの鴨居ると眺めて居れば動き出したり (舩曳弘子)
行くからと玄関の靴さらひ段ボールに入れて子どもは消えてしまへり (大河原陽子)
実体のなきさびしさは消えるのも早くてパンにバナナのせて食う (白水麻衣)
原付で夜学に通う帰り道夏の暑さを切り裂き走る (生谷俊介)
次次と心配の種採りこぼしわが畑には雑草の絶えず (小林則子)
ほのぐらき水に沈んでいくようなサティのピアノ聞きて眠りぬ (佐原亜子)
卯の花の咲く道でした蛍ひとつ祈りのように消えてったのは (三谷弘子)
梅雨寒の朝の淋しさ会ひたいな黄色い服の似合ふ妹 (村井玲子)
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# by araimitsu | 2009-10-01 16:54 |